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2024年4月18日掲載

研究検査科

生化学・免疫検査

採血された血液は、写真のように血清と血球(血餅)に遠心分離されます。血清の中には蛋白や糖などの栄養素や、ミネラル・酵素のように体の細胞のはたらきを維持するのに必要な成分が含まれています。
 自動分析装置を使用し血清にて、肝臓機能や腎臓機能、膵臓機能を化学的に、腫瘍マーカーや肝炎ウィルスなどの検査を免疫学的に分析しています。  
血液を遠心分離すると、
上部の黄色部分が血清
下部の赤色部分が血球(血餅)
に分かれます。

生化学検査:TP,ビリルビン,AST,ALT,LDH,ALP,CPK,γ-GTP,BUN,クレアチニン,コレステロール、トリグリセライド,HDL-C,血糖など
免疫検査:CEA,PSA,CA19-9,肝炎ウィルス,甲状腺ホルモンなど


血液学検査
採血した血液の一部は薬剤(EDTAやクエン酸Na)を用いて固まらないようにしたあと、貧血や炎症、血小板減少症、白血病などの血液疾患を診断するために赤血球や白血球、血小板の数を調べます。また、血友病や体の中で血液を固まりにくくするお薬(ワルファリンなど)を服用されている患者様の、お薬の服用量を調整するために、血液に含まれる凝固因子の測定をします。他に糖尿病における血糖値のコントロール状態を知るためのヘモグロビンA1c、血液を造るからだの働きをより詳しく調べるための骨髄検査、健康診断や手術の前などに実施する血液型検査などを行っています。
 
血液を顕微鏡で1000倍に拡大して観たところ
(細胞を観察しやすいように着色(染色)しています)


輸血検査
より安全な輸血療法を提供できるように、臨床検査科において血液製剤の発注から保管、血液型検査、交差適合試験、出庫、副作用情報までを一元管理しています。

病理組織検査
病巣から直接採取した組織や内視鏡検査にて食道、胃、大腸や気管支、肺などからごく一部だけ採取した組織、または手術で取り出した病変部位は適切に処理したのち、臨床検査技師によって病理組織標本というものが作成されます。これを医師が顕微鏡で詳細に観察し、良・悪性を含めた病理組織診断を行います。また、必要に応じて手術中に採取した組織を直ちに臨床検査技師が病理組織標本を作成し、医師がその場で診断を行う「術中迅速病理組織診断」も行っています。この結果をもとに主治医はその場で手術方針の決定をします。


病理組織標本(手術にて取り出した肺の一部) 



病理組織標本(内視鏡検査で大腸の一部を採取したもの) 




細胞診検査
皆さんが日常排泄している尿や喀痰の中には「細胞」が含まれています。また、自然に細胞が排泄されない臓器(乳腺や甲状腺など)から細胞を得るために病気の部分を針で刺したり、子宮などは疑わしい部分を直接ブラシで軽く擦ったりすることがあります。これらに含まれる細胞に悪性もしくは悪性を疑う細胞がないかを検査するのが細胞診検査(細胞診)です。対象になるのは、尿(泌尿器)、喀痰(肺)、女性生殖器(子宮)、乳腺、甲状腺などです。採取された細胞はスライドガラスと呼ばれるガラスに載せ、特殊な染色を施したのちに細胞検査士(臨床検査技師の中でも日本臨床細胞学会から認定を受けている技師)が悪性細胞を顕微鏡で探します。悪性もしくは悪性を疑う細胞が見つかった場合は医師によってその細胞がどのような癌であるかという診断がされます。

細胞診標本(子宮頸部の粘膜をブラシで採取したもの) 



生理機能検査
  • 生理機能検査は、検査の対象が直接患さま自身となりますのでご協力ください。
  • 生理検査室は、心臓、肺、脳神経などの関連検査を行っています。  
  • 検査の都合上、予約制にしておりますが臨機応変に対応したいと考えていますのでご相談下さい。  
  • また、地域連携室からの依頼もお受けしていますのでご利用ください。
検査内容
  • 心電図検査(安静時、運動負荷、24時間など)  
  • 超音波検査(心臓、頸動脈、四肢血管など)  
  • 肺機能(肺の大きさや、1秒間にどれだけはき出せるかなど)  
    この検査は患者様の協力なしでは出来ません。  
  • 脳波検査  
  • 神経伝導速度検査  
  • 誘発電位検査  
  • その他

生理検査室では、常に医師と連携しながら検査内容の充実と、レベルアップを目指しています。


細菌検査
色々な検査材料(喀痰、咽頭粘液、血液、尿、便、膿など)より、病気を引き起こす微生物を探し出し、どのお薬が治療に有効かをしらべます。
微生物検査の流れ
  1. 検査材料
    患者様から提出される検査材料には喀痰、咽頭粘液、血液、尿、便、膿などがあります.
 2.微鏡検査検査
材料をスライドグラスに薄く塗り、染色液で染め細菌の有無を調べます。    
結核菌検査は集菌法により迅速対応しています(約40分)。
(主に一般細菌はグラム染色、結核菌は蛍光染色とチールネルゼン染色)


 
  1. (画像左)グラム染色 紫色の点状のものが細菌(この場合、グラム陽性球菌
    (画像右)チールネルゼン染色 赤く染まって見えるのが結核菌
     いずれも顕微鏡で1000倍に拡大した画像です。
  3.培養検査


細菌の発育に必要な栄養を含んだ寒天培地に検査材料を塗り(画像左)、
37℃で通常1晩で菌を増やします(画像右・白い点状のものが発育した菌塊)
結核菌は、他の細菌と比べて発育に要する時間が非常に長いため、       
結果が出るまでに3週間から8週間程度必要です。

4.同定検査
培地に発育した細菌の性状を調べ、病因菌の菌種を決定します


結核菌遺伝子検査(PCR検査)
結核菌のDNAを遺伝子増幅法で増やすことにより、結核菌の特異遺伝子の存在から菌の有無を知る方法で、結核菌をはじめ3種類の抗酸菌(結核菌の類縁菌)を調べることが出来ます。培養検査に比べ感度が良く迅速に結果を得ることができます。
迅速検査
インフルエンザA、B抗原検査やA群β溶連菌抗原検査など迅速診断キットを使用して、30分以内に検査結果の報告を行なっています
・インフルエンザA、B抗原検査
・アデノウィルス抗原検査
・A群β溶連菌抗原検査
・RSウィルス抗原検査
・尿中肺炎球菌抗原検査
・尿中レジオネラ抗原検査
・ノロウィルス抗原検査
・クロストリジウムディフィシル毒素抗原検査
 

取得資格

緊急臨床検査士 2人
二級臨床検査士(循環生理学) 1人
認定超音波検査士 消化器領域 2人
循環器領域 1人
認定輸血検査技師 1人
睡眠医療認定検査技師 1人
細胞検査士 2人
JHRS認定心電図専門士 1人