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2024年4月8日掲載

泌尿器科

スタッフ紹介

 
  氏名 役職 出身大学 得意分野・得意疾患 専門医・認定医等
坂野祐司 泌尿器科医長
坂野 祐司
滋賀医科大学
平成5年卒
  • 泌尿器科全般
  • 日本泌尿器科学会
       専門医・指導医
  • 日本泌尿器内視鏡学会
       腹腔鏡技術認定医
  • 身体障害者福祉法指導医
泌尿器科医師
川井 北斗
滋賀医科大学
令和3年卒
  • 泌尿器科全般
  • 日本泌尿器科学会

診療内容

泌尿器科で扱う疾患とは

泌尿器科では尿路・男性性器の疾患の診断・治療にあたっています。対象となる主な疾患・病態は、排尿障害(前立腺肥大症、過活動膀胱、神経因性膀胱、尿失禁)、各種の泌尿器癌(副腎腫瘍、腎癌、腎盂・尿管癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣癌、陰茎癌など)、尿路性器炎症性疾患、尿路結石症、勃起障不全(ED) 、男性更年期症などです。
当院では、男性の避妊手術である精管結紮術(パイプカット)は行っていません。

尿路結石

男性で7人に1人、女性で12人に1人は一生のうちに一度は経験すると統計が出ています。一般的には突然の腰部激痛で発症することが多い疾患です。小さな結石であれば、水分をたくさん取って尿量を増やし、自力では排石して終了となります。大きな結石・小さくても動いてくれない結石は、次の段階へ進みます。結石の侵襲的な治療として、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)と内視鏡手術(TUL:内視鏡で観察しながらレーザーで破砕する)があります。結石の位置・大きさにより最適な方法を選択し実施します。ESWLは鎮痛剤投与のみで行うため、1泊2日の入院で行います。TULは半身麻酔あるいは全身麻酔を必要とするため、5日間程度の入院を要します。結石治療後は採取した結石の成分分析を行い、結果に応じて細かな生活指導を行っています。

前立腺肥大症

男性の80%は年齢とともに前立腺が腫大し、排尿に障害が出てきます。治療の中心は内服治療です。しかし、内服治療で排尿の改善が得られない場合は、手術療法が必要となります。一般的な手術療法である経尿道的前立腺切除術(TUR-P)に加え、2023年より経尿道的前立腺吊上げ術(UroLift)を導入しました。全身状態と前立腺の大きさ・形からより良い方法を選択します。

前立腺癌

採血でPSA(前立腺特異抗原)が基準値を超えていると、前立腺生検が必要になります。
当院では、経直腸的針生検を行っています。基本的には10か所針を刺して組織を採取します。出血・発熱・排尿困難の合併症が出現する可能性があり、1泊2日の検査入院で施行します。
他臓器への転移がない限局性前立腺癌に対しては、手術療法・放射線療法(外照射・小線源療法・重粒子線療法・陽子線療法)が中心となります。多岐にわたるため、当院では不可能な治療も多く、治療可能な施設へ責任をもってご紹介させていただきます。
他臓器への転移がある進行性前立腺癌に対しては、ホルモン療法が中心となります。その他、抗がん剤治療や遺伝子検査で特定の異常が見つかった方のみ使用できる薬剤等があります。

膀胱癌

症状が無い肉眼的血尿で発見されるケースが多い疾患です。膀胱鏡検査を行い、腫瘍を確認します。内視鏡による切除術(経尿道的膀胱腫瘍切除術:TUR-BT)にて、組織診断と根の深さをチェックします。根が浅い場合は内視鏡による手術で根治が期待できます。根が深い場合、あるいは他臓器に転移がある場合は抗がん剤の治療と手術療法(膀胱全摘)を組み合わせて行います。再発癌の治療として、免疫療法・抗体薬物複合体といった新たな治療が保険適応となっています。

腎癌

何か症状があって発見されることは少なく、採血でわかる有効な腫瘍マーカーも存在しないため、健康診断の超音波検査や、他疾患の精査で施行したCT検査などで発見されるケースが多い疾患です。手術療法としては、腎部分切除と腎摘除術があり、腫瘍の大きさと部位によって適応が分けられます。他臓器への転移がある場合は、分子標的薬・免疫療法等の薬物療法が中心となります。

各種癌の手術療法について

泌尿器科領域の手術療法(前立腺全摘除術、膀胱全摘除術、腎摘除術・腎部分摘除術)は、保険適応の拡大とともに近年ではロボット支援手術が主流になりました。当院ではロボット支援手術ができないため、近隣の可能な施設へ紹介いたします。手術以外の治療は可能で、術後の経過観察、再発した場合の追加治療には十分対応できる体制です。

その他

滋賀医科大学泌尿器科講座を中心に発足した滋賀泌尿器疾患研究グループに属し 患者様の同意の元、個人情報に留意をしながら臨床研究を行っております。
その他の治療困難患者様についても、滋賀医科大学泌尿器科学講座と綿密な連携をとりながら治療致します。いずれの診断や治療においても、患者様にとって最善、最良の治療が行えるよう詳しく説明し、ご理解・納得をいただけるよう心がけています。

主な手術件数

  2021年 2022年 2023年
尿路結石      
体外衝撃波結石破砕術 49 48 59
経尿道的腎尿管結石除去術(TUL) 23 13 18
膀胱結石手術(経尿道的) 3 4 9
前立腺      
経尿道的前立腺切除術(TUR-P) 8 9 7
経尿道的前立腺吊上げ術 0 0 1
前立腺生検 59 74 62
膀胱      
経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT) 27 40 42
膀胱全摘(開腹手術) 1 0 0
腎・尿管      
腎摘除術(腹腔鏡手術) 1 2 0
腎尿管全摘除術(腹腔鏡手術) 2 1 2
陰茎      
陰茎癌手術(陰茎部分切除術) 0 0 2
陰嚢・精巣      
精巣癌手術(高位摘除術) 0 1 2
陰嚢水腫手術 3 4 7